2023年08月12日
ヨーロッパの家は、なぜ涼しいのか?
こんにちは、まつだ工務店の松田です。
猛暑の中を現場へ出かけ、帰ってきたらエアコンでキンキンに冷えた室内で、キンキンに冷えた飲み物を飲む。
毎日こんな生活をしていたら、体調がおかしくなりそうですね。
そんな、私たちにとって今やなくてはならないエアコンですが、なんとヨーロッパではいまだにエアコンのない家庭が少なくないのだとか。
エアコンなしで、はたしてこの暑い夏を乗り切ることができるのでしょうか……。(^^;
皆さんは、『パッシブハウス』とか『パッシブデザイン』という言葉を聞いたことがありますか?
気密性と断熱性を高め、室内の温度を一定に保ちやすくした家。加えて、風や太陽光などの自然エネルギーを利用した、冷暖房だけに頼らないエコな家。
それが、パッシブデザインの家です。
ドイツで発祥し、ヨーロッパ全域に広がりました。
省エネ住宅が普及しているがゆえに、ヨーロッパではエアコンが普及しないのかもしれませんね。
堺市のような都市部では“自然環境を活かした設計”が難しい場合もありますが、日本とヨーロッパには「四季がある」という共通点があります。
気候が似ているのなら、省エネのために真似できることもあるのではないでしょうか。
当社が取り組んでいる高気密高断熱も、そのひとつですね。
そして、もうひとつ。ヨーロッパの家といえば、自然素材。
レンガ造りや石造りはさすがに真似できませんが(コストの問題などあるので)、内外装に自然素材を使うことはできますよね。^^
たとえば、当社で使用している『カルクウォール』。
アルプスで採れる最純度の石灰石を原料としたもので、300年変わらぬ製法で丁寧に作られた、天然成分100%のスイス漆喰です。
先月、無垢の床について記事を書きましたが、こちらはもうお読みいただけましたか?
記事の中で「無垢の木には調湿作用があるから足裏がベタベタしない」とお伝えしましたが、漆喰も同じ。
よく、「発熱したときは汗をかくといい」といいますよね。
あれはなぜかというと、汗が蒸発すると体温が下がるからです。
ところが、湿度が高いと汗がなかなか蒸発しないので、体温を下げることができません。
だから、体に熱がこもって余計に暑く感じるのですね。
そんな日はもちろん、エアコンの除湿機能を使ってもよいのですが、湿度の調整というのは意外と難しいもの。
冷房では一向に涼しくならないし、除湿にすると冷えすぎる。だからといって、電源をオフにしたらまたすぐに暑くなる。
そんな経験、あるでしょう?
そこで、漆喰です。
天然の除加湿(吸放湿)機能をもつ漆喰を内装に使用すれば、夏でも冬でも室内をほどよい湿度に保ってくれます。
だから、無垢や漆喰などの自然素材を使ったお部屋は心地よく感じるんですね。
そういえば、日本の家も昔は自然素材が当たり前でしたね。
300年続くスイス漆喰のように、昔から使われてきた材料には、やはり何らかの意味があるということなのでしょう。